大阪カオスな夜

大阪近辺のカオスなスポットやイベントなどを紹介 星好きな人もどうぞ!

スターリンク衛星を見るには@明るさによっては街中からでも

スターリンク衛星はイーロン・マスク氏の宇宙事業であるスペースX社が打ち上げている衛星として有名ですが、日本でも見ることは可能です。

Twitterでも天文台や有名観測家さんなどの情報が挙がっています。

でも、もっと積極的に観測したい!いつ見えるのか事前に知っておきたいという人のためにスターリンク衛星の通過予定が見られるサイトを紹介します。

スターリンク衛星の通過予定や経路図が掲載されているのはHeavens-Aboveというサイトです。

www.heavens-above.com

ここからはHeavens-Aboveのサイトの利用方法を説明していきます。参考までにスマホからでも見られますがスマホ用表示ではなくPCブラウザと同じ表示で若干見辛いです。

まず、↑のリンクからHeavens-Aboveに入ってください。

そうすると下のページが表示されます。



オレンジ色で1~3まで数字を打っていますが、まずサイトが日本語で表示されていない場合は右上の1のところで「日本語」を選択します。

次は2の「観測地点の変更」を選択します。


このページで自分の観測地点を選択します。方法は地図上でマウスでクリックしてもいいですし、地図の下にある「検索する場所を入力してください」のところに「石川県金沢市」のように入力してもいいです。観測地は緯度経度が極端にズレていなければいいので町名レベルの細かい設定は必要ないです。

観測地を設定したら同じページの一番下までいって「更新」します。

 

更新したらトップページに戻るので3の「スターリンク衛星の通過(各打ち上げによる全衛星)」を選択します。

上の図のように直近のスターリンク衛星の通過予定表が表示され、衛星の明るさ(等級)、見え始め時刻、方角等のデータがわかります。

オレンジで囲っている左右の矢印で過去と当日以降の予定が順に表示されていきます。

表の青字の時刻部分を選択すると星図が表示されスターリンク衛星の通過経路を観ることができます。

星図の見方は星座早見版と同じで空にかざした時に方角一致するように作られているので東西が反転しています。

スマホを空にかざして見る場合には南側に立って空にかざすと実際の星空と一致しますが、北側を向いている状態だとスマホの天地を逆にしないといけません。『えっ!』と思うかもしれないですが、やってみるといちばんよく分かります。

 

さて、これで一通りスターリンク衛星を観るための手順は分かってもらえたと思います。

 

ここからは実践編です。

予定表に表示されるものはどれでも観ることができるかというと、それは衛星の明るさや観測地の空の状況によります。もう一つは通過経路が天頂に近いか地平線に近いかによっても見え方はかなり違ってきます。

細かいことは抜きにして筆者のスターリンク衛星の観測経験から観測地と衛星の明るさの観測条件を大雑把に言うと次のようになります。

 

十分に空が暗い場所(天の川の筋がうっすら確認できるくらい) ⇒ 5等以上から

都心近くの郊外 ⇒ 3等以上から(慣れていない人だと2等以上)

都心 ⇒ 2等以上から(東京や大阪の都心からだと2等でも厳しい場合も)

のような感じです。

 

筆者は大阪都心から少し離れたところに住んでいますが、先日、3.4等の明るさのスターリンク衛星を肉眼でギリギリの明るさで確認できました。

その時の経路は上の図の時でしたが、肉眼で実際に見えたのはオレンジで線を引いている部分くらいです。例えば都心から離れた郊外地であっても衛星経路の通りに全て見えることはほとんどありません。観測の慣れにも影響が出てくると思います。

上の星図の20時56分~57分頃経の経路を通過中の写真 85㎜のレンズにシャッター速度は0.4秒でわずかに線になって写っています 自宅から撮影

確実に見やすいのはこの上の星図の時のように経路が長く、かつ天頂付近を通過していくときです。

このときの通過経路を自宅から眺めてみました。写真もその時に撮影したものです。この時の衛星の明るさは2.4等と比較的明るめで見え始める時刻は19:53です。この時期の19:53は筆者のいる関西ではまだ真っ暗ではなく、また東の低空には満月に近い月がありましたが天頂付近を通過する際には肉眼でもけっこうハッキリとスターリンク衛星を確認できました。

はじめてスターリンク衛星を見た時にはアニメの銀河鉄道999をリアルで見えているような不思議な感覚でした。動画で見るイメージと違って肉眼視野ではけっこう広範囲に連なって見えるんだなという印象で、それがいっそう不思議な感覚を大きくしてくれました。

 

下の写真は4等で見えた時のスターリンク衛星を長時間露光で撮影したものです。

参考までに、撮影時の暗さ(時刻:上の写真は下より1時間ほど早い時刻)と月の有無(上の写真は撮影方向にほぼ満月近い月があり、下は月が無し)、撮影地(上は自宅から、下は天の川が薄っすらと目視できる場所)で撮影条件に関して上の写真の撮影時のほうが3重のハンデがありますが、両方とも同じカメラとレンズで撮影しています。

4秒間シャッターを開けている間で衛星が写っているので個々の衛星が全部繋がり、その結果肉眼で見るよりも光軸自体が明るく映っています。肉眼で見るイメージとはぜんぜん違いますのでカメラで長時間露光で撮るとこうなると思って見てください。

天文イベントで起こりがちな深夜の日付の勘違い@深夜0時以降のイベントには注意!

深夜0時に日付は変わっている

ここ数年、流星群などの天文イベント情報がテレビやSNSでもよくアナウンスされるようになってきました。

イベント当日には情報がバンバン流れてくるので、その時に気が付く人もいるのですが、以前から前もってスケジュールを立てておく場合には深夜0時以降のイベントスケジュールをうっかり勘違いしてしまう人が多いのです。

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『〇日の夜』という認識が落とし穴になる

その勘違いが最も生じやすい例は

皆既月食 3月5日 1時~4時まで (←イベントは流星群でもなんでもいいのですが)

と、深夜0時をまたいで(日付けが変わって)天文イベントがあるケース。

逆に勘違いが起きないのは 3月5日 夜8時~11時 のような0時をまたがない時刻の場合。

ちなみに『夜半』とか『未明』という表現もあるのですが、この表現を使って伝えても間違える人は間違えてしまうんですよね。

言葉でダラダラと説明しても頭がこんがらがってしまうので、分かりやすい図を用意しました。

タイムライン表示のカレンダーではないですが、時間の流れも左から右(⇒)に流れていると意識して見てください。

青で囲んでいる部分は夜を表しています。夜と夜の間はお昼間と見てください。

この図で5日の深夜1時はどこになっているかを見てください。

オレンジの矢印で指している『AMの夜(青の斜線)』の部分ですね。ではその右隣の青の斜線の部分はというと同じ5日のPMの夜なんですね。

こういうふうに見ると一目瞭然になると思うのですが、0時の日付変更を適用すると『AMの夜』と『PMの夜』のようにお昼間を挟んで同じ1日の夜が2つに分割されることになるのです。

これがイベントスケジュールを勘違いしてしまう原因になるのです。

その『〇日の夜』はどっち側の夜?

一般的に『〇日の夜』というのは日中を過ごしてから太陽が落ち、そこから次の日の朝までのことだと意識しています。図でいうと緑の斜線で記している部分です。こっちのほうが連続した一晩なので『〇日の夜』というとこの緑の斜線の夜のことを普通に意識します。

でも正確には1日の始まりは深夜(午前)0時です。ということはさっきも見たように正確な1日の夜はAMの夜とPMの夜というふうにお昼間を挟んで2つに分割されます。

日常生活ではあまりこういう意識を持っていないので『〇日の夜』といえば、多くの人が無意識に図の緑の斜線で記した夜を意識しているのです。

その結果、『5日の夜1時』というと図でいう『6日のAMの夜』を無意識に思い浮かべてしまいます。

同じ1日の夜が2つに分割されているなんて奇妙なので普通はそんなことを意識していないですが、深夜0時に日付が変わるルールを適用するとそうなってしまうのです。

これが『5日の夜1時』を『6日の夜1時』に勘違いしてしまう原因です。

メディア表記の変化

メディアが天文イベントを取り扱う場合、ここ数年の間で、3月5日の夜1時ということであれば 『4日の夜~5日早朝にかけての夜』というふうに注釈表記をつけることがかなり増えてきました。

これはWebの天気予報サイトが天文情報を扱う際にこういう表記を始めたことがきっかけになったと記憶しています。自分も人に伝える時にはずっと昔からそうしていましたが、同じ勘違いをする人が多かったという経験則からなんです。

直前になって『今夜の』と言えば1時であろうと3時であろうとだれも間違わないのですが、数日前の事前に伝える際には「5日の1時というのは4日の夜から5日にかけての夜だよ。間違えないでね!」と伝えていても10人いれは半分以上の人は確実に間違えます。それくらい頭の中には普段の生活上での刷り込みの意識がこびりついているのです。

なので、慣れていない人が参加する場合は4日のお昼ごろまでに「今夜ですよ」と改めてメールを送るんですが、たいていの人は「えっ!明日だと思ってた!」ということが必ずあるんです。(←『明日』で間違ってないのですが、本人の頭の中では6日のAM1時だと勘違いしています(笑 文字で表現するとややこしいですね)

深夜番組の『月曜深夜1時』とは

これと同じ理屈のギャップはテレビの録画予約をする時や深夜番組を視聴するときに経験した人がいると思います。0時を過ぎている深夜番組を予約しようとしてテレビやレコーダーの番組表を見ながら「あれっ月曜だったはずだけど無い…」っていうやつです。その番組は実際には火曜なので機器の番組表では月曜ではなくしっかり火曜の番組表に載っています。

しかし、深夜の番組宣伝のほとんどは一般的な人のタイムシフトでアナウンスされています。
『月曜深夜1時』と言われている番組は実際には火曜の深夜1時なわけですが、これを正確なタイムシフトで「火曜深夜1時」と言ってしまうと、上の例で説明したのと同じ理屈の勘違いが起こるのです。

「えっ!そういう厳密な表現だったの…見逃したやん!」となってしまいます。そういう人が続出するのでやむなく一般的な表現をしているのだと思います。「月曜深夜25時」という表現をしている場合もありますが、これはなかなか工夫された表現だと思います。

じゃあ、天文イベントもそれ(25時とか)に習って同じように表記したら?という意見もあると思いますが、さすがに今まで天文イベントでこの表記をしているケースを目撃したことはないです。

それをやってしまうと、例えば冬だと夜が長いので、早朝の5時だと29時とかちょっと訳がわからなくなってくるせいではないかと想像します。

テレビ番組でいえばNHKの番組宣伝は地上波、BSともに正確なタイムシフトで表記・アナウンスされていますから深夜放映の番組には意識の切り替えをしていないと見逃してしまいます。

《まとめ》

いろいろ書きましたがまとめると

  • 天文イベントは0時に日付が変わるルールでのアナウンスである。
  • 0時に日付が変わるということは一日の夜は2度ある(2つに分割されている)。0時~朝(AMの夜)までと太陽が沈んでから次の0時(PMの夜)までの2回。
  • 0時から朝までのイベントの時は、当然ながら当日の朝起きた時点でそのイベントは終っているので見過ごさないように注意が必要。例えば「3月5日の1時」というイベントだと普段の感覚で5日の朝を迎えた時点でイベントは既に過去の出来事になっている。

《おまけ》

一年にたった一回だけですが、世界中のほぼすべての人が0時に日付が変わる夜を正確に意識する日があります。

それはお正月です。Happy New Year!!(@^^)/