2024年10月10日(木)から翌11日にかけて太陽フレアの活動があり、各地で低緯度オーロラが観測、撮影されていました。
筆者がXにあげている低緯度オーロラのタイムラプス動画も、撮影場所のせいかふだんに比べるとわりと反響がありました。
10月11日深夜から未明にかけての低緯度オーロラを兵庫県猪名川町の大野山から撮影したタイムラプスです。
— ☆ダイチャン・メイデン☆ (@dai_maiden) 2024年10月11日
兵庫県の真ん中よりももう少し南寄り。大阪市内から1時間ほどの場所ですが、ここからオーロラが撮影できるとは驚きです。#低緯度オーロラ #オーロラシチズン pic.twitter.com/6MAFcCmkxU
一応YouTubeのほうも貼り付けておきます。同じ動画です。
撮影したのは猪名川天文台のある兵庫県猪名川町の大野山からです。ちなみに「おおのやま」ではなく「おおやさん」と読みます。猪名川天文台の所在地でもあります。
実は同じ場所からは5月のフレア発生時にもオーロラが撮影で確認できていたそうですが、筆者は行けませんでした。行こうかなと一瞬考えたのですが、いくらなんでも無理だろうという思い込みに負けました。
前回の5月のフレア発生時のメディア報道では、兵庫県香美町の日本海側でオーロラが確認されたということがけっこう話題になっていました。
今回、筆者が撮影した猪名川町は香美町より、もっと南側に位置したところです。大阪市内から車で一時間程度で行ける場所なのです。
今回(2024年10月)Xであがっていたオーロラの映像(特にラプス)に関して、近隣の別の場所から撮影されたものを見比べてみたところ、香美町のはちまき展望台という山あいから撮影された綺麗なラプス動画がありました。
本日10月11日の午前2:00頃から香美町内でも低緯度オーロラが見えはじめました!
— 兵庫県香美町 観光商工課【公式】🌟香住(かすみ)🌟村岡(むらおか)🌟小代(おじろ) (@kami_kankou) 2024年10月11日
肉眼での確認は難しかったものの、はちまき展望台からのタイムラプス映像では、少しですがオーロラの揺らめきを捉えることができました。#オーロラ #低緯度オーロラ #オーロラシチズン #ハチ北 #香美町 pic.twitter.com/dfftFN2j2f
筆者の撮影したラプス映像とオーロラの時間経過の特徴が非常に似ていると感じました。
夜明けまでに、北西方向から北東方向にかけて2度ほど赤い光が大きく波のように動き、その後、全体的に大きく赤みが広がっていく様子がうかがえます。
参考までに香美町のはちまき展望台と猪名川天文台の位置関係が分かるようにGoogleのルートマップを貼っておきます。
ご覧の通り、筆者の撮影地の猪名川は香美町よりもかなり南側です。
また、猪名川から筆者がカメラを向けた北側には日本海までに至る途中に綾部や舞鶴を通っていることから、これらの市街地の光の影響を疑われる可能性もあるかと考えますが、(筆者は同じ場所から長年撮影を行ってきた経験から、今回のオーロラ映像と街の光害とは性質が違うと考えています)上記のはちまき展望台からの映像から見られる赤い光の時間経過の特徴と似ていることからも、オーロラをとらえたもので間違いないと思います。
■オーロラ観測の南限は?
今回、オーロラが確認された南限に関して、正確な結果は分かりませんが、筆者が拾った情報では山口県の美祢市美東長者ヶ森から撮影に成功しているようなので、これは猪名川よりもはるかに南になります。
美東長者ヶ森という場所も天文台のある高地のようです。
ただ、美東長者ヶ森はけっこう日本海寄り(現地の人の感覚では日本海寄りという意識は無いと思いますが)なので、大阪市内から1時間程度の猪名川町から確認できたのは、南限には至りませんが、それでも凄いのではないかと感じています。

写真はラプスのコマにも入っているものですが、オーロラと同時にど真ん中に火球を捉えたものです。ラプスのコマでは小さすぎて分からないです。
■研究の参考資料となるオーロラ撮影設定は可能な限りシャッタースピードを短め(1/2秒まで)に
参考までに、X上にてオーロラシチズンとして研究成果を発表しておられる片岡龍峰氏によると、研究成果として参考になるオーロラ撮影のシャッタースピードは長くても1/2秒が推奨だそうです。
理由は筆者の想像になりますが、長時間露光になると蓄光が長すぎるので、オーロラの光の性質や状態が正確に分からなくなるということだと思います。できうる限り瞬間に近い記録が望ましいということですね。
海外ではわりと知られているそうですが、まったく無知でした。
とにかく、これまで関西方面でオーロラが観望や撮影対象になることはあり得ないというのが常識だったので。ましてや研究目的の撮影をしている意識などほとんどありません。
筆者のラプスの個々の映像は天文薄明以前のものは30秒で撮っています…
とにかく、ここで撮れたことを記録に残そう!という意識が強くなりすぎて、長いシャッタースピードにしてしまいました。
次の機会があったときには参考にしてください。
(と言っても、南限ギリギリの場所でオーロラの存在を記録する用途ではiso感度を限界近くまで上げても1/2程度のシャッタースピードではちょっと現実的でない気もしますが…)
■シチズンサイエンスという一般市民が協力できる科学研究
シチズンサイエンスとは職業的な科学者ではなく、一般市民が科学研究に関わることを言います。
天文分野では新星や彗星の発見など、何十年も前からシチズンサイエンスが重要な役割を果たしてきたことは、星の観望をしている人なら知られていたことだと思います。
今回のオーロラに関しても、南限はどこまで見えていたか、どんな様子でどんな色だったかなど各地で撮影されたアマチュアの写真が役に立っているということです。
天文現象には、例えば流星群など、ある程度予想されていても、その予想以上の突発的な大出現などは過去からわりと発生しているので、全国にいるアマチュアの活動には大いに意義があるということでしょう。
そんなところで筆者が撮影したものは観賞用以外はたいした役に立たないと思いますが、いちおう、ラプスの元になった個々の写真を大雑把に載せておきます。
撮影開始 2:23(10月11日)⇩

2:30⇩

2:45⇩

3:00⇩

3:15⇩

3:30⇩

3:45⇩

4:00⇩

4:15⇩

4:30⇩

4:45⇩

5:00⇩

5:15⇩

猪名川町の大野山は空のコンディションが良ければ肉眼で天の川が帯状に見えるほど星が綺麗な場所です。
しかし、南側の空は大阪平野の明かりがあるので(夜景としては良いですが)南側の星空は特に撮影には厳しいことが多いですね。カノープスを見るのはわりと簡単ですが。
もっと南側に行って大阪平野をまたいでオーロラ撮影ができたら凄いと思いますが、余程の異常な事態が起こらないと難しいでしょうね…

参考までに南東の大阪平野側はこんな感じです。大阪平野の明かりは肉眼ではこんなものでしょうか。もうちょっと明るいかな…

別の日ですが真南を向けばこんな感じです。
うっすらと雲海が張っていますが、これ7月(2021年)なんですよ。
これを見ると南側ぜんぜんダメやん...と思ってしまいがちですが、これは小高い丘陵地になっている天文台まで上がったところで撮っていまして、駐車場まで下りて(100mほどです)大阪平野の光を直接カメラアングルに入れなければ

こうなります。下のほうはカブリが酷いですけどね。
参考までに、筆者はコンポジットやブラシはほとんど使いません。
空の条件が良い時のベストショット勝負です。他人の方法論は否定しません。