前になんかの記事でも書いたと思うけど、僕は社会人になってほとんどが車通勤なので、たまに電車に乗るとワクワクする。
そしてJR大阪駅では思い出すことがある。
それも滅多に利用しない環状線のホームではほぼ毎回思い出す話が。
それは20数年前にJR大阪駅の環状線のホームで起こった珍事。
大学生だった時のニュースだ。
その日は、授業も全て終えた後、大学の近くでアパートを借りてた同期生宅で、いつもの仲間で集まってテレビのニュースを見ていた。
「本日、JR大阪駅の環状線ホームで珍事が発生しました」と前振りのアナウンスをするキャスター。
『なんだろ??』と思って聞いていると。
「本日、夕方の5時頃からおよそ30分の間、JR大阪駅環状線ホームでの電車の発着アナウンスを行っていたのは中学生でした」
一同 『えっ!?』
鉄オタの中学生が時刻表を片手にマイクを握り、混雑する時刻の環状線の電車の発着アナウンスを30分にもわたって行っていたという。(笑)
喋り方が妙に拙い事が気になった職員はいたが、案内自体は全く正確だったことから現場にまで確認には行かなかった。
その後、近くに居合わせた職員が見た光景は、時刻表を片手にアナウンスをしている中学生の姿だった。
というニュース。
ニュースの最後に「この時間帯のJR大阪駅の環状線は発着数が朝に次いで多い時間帯で、発着アナウンスは熟練の職員でないと難しいと言われているそうです」
恐るべしオタク魂!
『スゴイぞ中学生!』と身震いすら感じた。
集まっていた同期の仲間にも鉄オタがいて『コイツは表彰状もんやわ!』と宣っていた。
それにしても30分もの間に、柱からぶら下がっているマイクを手に中学生がアナウンスしていたら、周囲にいた乗客達の誰かはその光景を目撃していた筈だと思うんだけど、職員が発見するまで続けられていたのは、見て見ぬフリをしていたということか?
いや、きっと大勢が見ていたけど
「なんや、あれ、中学生みたいなんがアナウンスしてるで!」
「ホンマや、でも案内はちゃんと合ってるんちゃうんか」
みたいな状況で近くにいた人達はいつしか「ガンバレ中学生!」みたいな群集心理になっていたのでは無いかと勝手に想像している。
そんなところが大阪らしいしとも思える。(笑)
時は流れて20年。
当然、今ではおっさんになった僕だが、当時の鉄オタ中学生もおっさんと言っていい歳だろう。
彼は今、何の仕事をしているのだろう?
大阪駅の環状線ホームで、今アナウンスをしている職員が当時の鉄オタ中学生の彼であったら、ちょっと素敵な話だなと想いにふける。
p.s 当時の鉄オタ中学生がコレ見てたら連絡してきてね。飲みに行こう。
成り済ましはダメよ(笑)
〈現在の大阪駅〉